大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)574 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士東城守一、同鈴木紀男、同松崎勝一、同鎌形寛之、同久保田昭

夫の上告理由第一の一について。

論旨は、上告人が配布に至らしめた文書は郵便物ではないというのである。

右文書に名宛人の記載があること、「郵便往復はがき」の印刷があること、かつ

て官製はがきとして作成されたものであるということによつて直ちに右文書が郵便

物といえないことは所論のとおりである。原判決もそれだけで郵便物と解したので

はなく、右文書が駅前郵便局道順組立台上におかれ郵便物の配達組織を通じて名宛

人に配達された事実に基いて右文書が郵便物として郵便に付されたものとしている

のである。右文書は所論のように単なるビラということはできず、この点に関する

原判示は正当である。

論旨はまた、本件文書の配布は組合業務のために行われたのであつて郵便業務の

ために行われたものではない旨を主張するのであるが、原判示のように右文書が郵

便配達組織を通じて他の郵便物とともに配布された以上、客観的には郵便物と解す

るのが相当である。また論旨は、原判決は郵便法五条を誤解しているというのであ

るが、原判決は上告人の行為が郵便法五条に反する旨を判示しているのではないの

であつて、論旨は原判示に副わない主張である。なお、論旨は上告人主張の以上の

論旨が正当であることを前提として原判決(ハ)(ホ)の判示が法令の適用を誤つ

ている旨を主張するのであるが、その前提が肯認し得ないことは前説明のとおりで

あり、原判決には所論の違法はないので、論旨は理由がない。

同二について。

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論旨は、上告人の行為は官職全体の不名誉になる行為ではないというのであるが、

所論は上告人の行為に違法がなかつたことを前提としており、この点について理由

がないことは前述のとおりであるから論旨は採用することができない。

同三について。

論旨は、原審の人事院規則一四―一に関する解釈を非難し法律の適用を誤つたも

のであると主張するのであるが、所論の点に関する原審の判断は正当であるから、

所論は理由がない。

同四について。

論旨は、上告人の行為は組合の決定にもとずくものであつて、正当な組合活動で

あるというのである。しかし上告人の行為が違法であることは原判示のとおりであ

つて正当な組合活動とはいえない。論旨はまた、本件懲戒は裁量を誤つた権利の濫

用である旨を主張するのであるが、上告人の行為が違法である以上、本件の懲戒処

分が所論のように裁量権の濫用であるとはいえない。

以上説明のとおり本件上告は理由がないからこれを棄却することとし、民訴四〇

一条、九五条、八九条を適用し裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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